仕事を辞めると伝えてから

僕は義務を果たし、
失業給付をうける権利を行使した。
アルバイトでしかない仕事を
一日中週5日もして、
家族のために実家の立て替えに協力。
毎日を過ごす。
この間、日曜に住宅メーカーの人との
話し合いがあるため、
朝、早めに起きて、
疲れて朝食を作る気にもなれず、
朝マックを買いにドライブスルー。
並んだ車の中で、晴れた朝もやの中、
マックの外でかかるBGMが
ディズニー映画でかかるような
可愛らしい曲をオルゴールで編曲された
ものがかかっていた。
たぶん朝用のチャンネルなんだろう。
その瞬間、日々の気付かない疲労感が
身体をザーッと流れ、
鳥肌がたちながらも涙目になり、
異様な脱力感を引きずったまま会計を
すませ、朝マックをうけとって、
家に帰り朝食を摂る。
郊外で親と実家で暮らしていると、
こんな風に味気のない消費生活にどっぷり
浸かる羽目になる。
こんな瞬間が必然的に救いになったりしている。
現実。
味気のある消費生活なら、まだいいけれど、
それは一人暮らしじゃなきゃ不可能。
一人暮らしの部屋で自分だけの感覚が
行き渡った部屋のイメージ。
大学の時も実家通いだったからイメージで
しか語れないけれど。
埼玉の郊外でなくて、東京の郊外で
暮らすあの感じ。
なんで埼玉にいると北側に吸い込まれていく
空気を感じるのだろう。
なんで暖かさが違うんだろう。
自分を裏切ったり、見捨てたりしないという
今年の目標は、今年も終わりに近づいて
達成されなかった。
そういうことで惨めな想いを
するのは無意識の自殺だということを
ずっと前から気付いていた。
バイクを手に入れたら自分の部屋を
探しに行こうと思う。
取り戻しに行って、人と暮らそうと思う。

http://www.asahi.com/culture/update/1125/005.html